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2006年9月24日 (日)

阿弥陀堂だより

午後、久しぶりにDVDで「阿弥陀堂だより」を視聴した。

阿弥陀堂だより 特別版 DVD 阿弥陀堂だより 特別版

販売元:アスミック
発売日:2003/06/06
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何度見てもよい映画だ。
四季の移ろい、ベテラン俳優たちのしっとりとした演技。
自然と人が係わり合いながら、しっかり生きていくさまがよく表現されている。

北林谷栄演じるおうめ婆さんは、幾年月を地道に生きてきた老人のしたたかさと
揺るぎようのない心のさまが伝わってくる、素晴らしい演技。
演技というより、彼女こそおうめ婆さんそのものという感じ。

田村高廣演じる映画オリジナルの幸田先生は、禅の心や武士道精神に通じる
一本筋のとおった日本男児。
田村らしい訥々した演技の中に時折見せる厳しさが、
迷いを見せる主人公に指針を示す。

主人公を演じる寺尾聰、その妻を演じる樋口可南子らは言うまでもなくうまい。
淡々とした村の生活に溶け込みながら優しく妻のことを気遣う主人公(作家)を、
寺尾はさりげなく演じている。
心の病を抱えながら、それに向き合い、一歩一歩着実に歩んでいこうとする
健気で美しい妻(医者)を、樋口が静かに演じている。
(樋口可南子を映画で見るのは本当に久しぶり。)

阿弥陀堂だよりの主人公二人は、医者であり作家である原作者南木佳士の人格が
二つに分けられ投影された人物であることはご存知のとおり。
南木佳士の著作の中で、私が初めて読んだ作品が「阿弥陀堂だより」であり、
また彼の作品中でいちばん好きな小説もこの「阿弥陀堂だより」だ。
そういう意味でも思い入れのある映画だし、原作小説は最近の私の原点になっている
気がする。
小泉監督は日本人の自然観をうまく取り込み、きれいにまとめあげてくれている。
この映画には「雪月風花」がある。

(蛇足)
私と「阿弥陀堂だより」原作との出会いについて。
たまたま、本屋で文庫本コーナーをパトロールしていたとき(特に目当ての本が
なくても週に一度は必ず本屋を巡回している)、文春文庫の前で何か視線のような
ものを感じ、そちらを向いてこの本と「目」が合った。
まさに目が合ったという感じだった。(偶然にも映画公開直前!)
手に取っておもしろそうだったので購入し、一気に読んだ。
良かった。
人の生死について、厳しく、しかし優しい目で真っ直ぐに見つめる作品であった。
以後、南木佳士の作品(小説・エッセイ)にのめりこみ、購入できる著作を入手。
それと同時に、いまさらながら純文学に目を向けることになった。

阿弥陀堂だより Book 阿弥陀堂だより

著者:南木 佳士
販売元:文藝春秋
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